【展覧会】『北欧の神秘』展に行ってきました!

どうも、こんにちは!

今回はSOMPO美術館で開催中の『北欧の神秘』展に行ってきました!

前回の印象派展で展示されていた北欧の作品で、神的なものを描いている作品が多いような解説があった記憶があったので、かなり楽しみにしていました。

そしてその期待を超えるほど良い展覧会だったので、今回も写真も添えつつ感想を書いていきます。

イベント情報

開催期間:2024年3月23日~2024年6月9日

場所:SOMPO美術館

自然と神話と街並みを楽しめる展覧会

序章 神秘の厳選 – 北欧美術の形成

このエリアは自然を描いた作品が中心に展示されており、海外に1度も行ったことが無い私からすると、どの景色もゲームや映画でしか見たことの無いような空気感と景色であり、ずっと観ていたいと思える作品ばかりでした。

特に『旅人のいる風景』と『滝のある岩場の景観』という作品には強く心を持っていかれ、比較的空いていたので何回か戻って観てしまいました。

また、フィンランドの叙事詩『カレワラ』に登場する世界を想像した乙女イルタマルを描いた作品や、神話に登場するような精霊が描かれた作品も飾られており、序章からめっちゃファンタジーしてて凄く楽しめました。

正直この序章の盛り上げ方がすごく上手で、このエリアのおかげで最後まで期待に心を震わせたまま楽しめたと言っても過言では無いです!

1章 自然の力

このエリアでは、北欧の自然の美しさが良く分かる作品が多く展示されていました。

私は人物画よりも風景画の方が好きなので、このエリアもとてもワクワクしながら楽しむことができました!

この作品はペッカ・ハロネンが描いた『河岸』になります。

水の描き方がとてもキレイで、ずっと観ていると今にも水の中を泳ぐ魚が見えてくるのではないかと思えてきます。

モネの作品でもそうだったのですが、水がメインに描かれている作品が結構好みだったりするのかもしれません。

そしてこちらは『叫び』で有名なエドヴァルド・ムンクが描いた、『フィヨルドの冬』になります。

先程の作品のようにリアルさはありませんが、作品の中の空気感が感じられるような空や雪の描き方が好きで、この作品も妙に心惹かれました。

他にもムンクの作品が飾られていましたが、何故か見入ってしまう魅力があり、この感覚を上手く言語化できないのがもどかしいです。

キレイな野山を描いた作品や雪が降るほど寒い季節の海を描いた作品など、スッと入ってくる作品が多くて、このエリアもとても楽しめました。

2章 魔力の宿る森 – 北欧美術における英雄と妖精

このエリアは私が1番楽しみにしていた、ファンタジーな作品が多く展示されていたエリアになります。

序章にもあった神話や叙事詩に登場する人物や精霊、化け物などが描かれており、またそれらが連作でストーリーになっていたりするので、まるで絵本を読んでいるかのような気持ちになりました。

そんなこのエリアも撮影OKだったので、いくつかの作品を写真と共に紹介していこうと思います。

私がこの展覧会で1番好きになった作家、テオドール・キッテルセンが描いた作品、『アスケラッドとオオカミ』になります。

現地で観た時は全体的に暗かったためオオカミの目の色が印象的だったのですが、写真だと全体的に明るくなってしまい、少し受ける印象も変わってしまいそうですね。
(図録で確認してもこんなに明るくないため、iPhoneが自動で補正しちゃったのかも)

写真だと伝わりませんが、多分夜の森の中を描いているはずで、全体的に青みがかった暗闇と対象的に青白く光る目のコントラストがキレイで、また神秘的な雰囲気と恐ろしい雰囲気が感じ取れて、本当にグッと心を持っていかれた作品でした。

そしてこちらも同じ作家が描いた、『アスケラッドと黄金の鳥』になります。

こちらももう少し全体的に暗い作品で、黄金の鳥との明暗のコントラストが美しかったです。

作品名に先程の作品と同じ名前が出ていることから分かるように、次に紹介する作品も含め、どれも同じストーリーを描いた作品になっています。

この作品の前ではアスケラッドは眠っているドラゴンと遭遇しており、この鳥の魅力にアスケラッドは触れようとするも、先程のドラゴンが目を覚ましてしまう可能性を考え触れるのをやめる、というストーリーになっているそうです。

家に帰って図録を読んで知った知識ですが、それを知った上で改めて現地で観ると、また違った感想を抱きそうですね。

最後に紹介する作品は『トロルのシラミ取りをする姫』になります。

この作品も全体的にもっと暗いため、写真で受ける印象以上にトロルの不気味さが際立った作品になっています。

どうやら姫が囚われていたようで、トロルが眠っている間にアスケラッドが大剣でトロルの首を切り落とし、その後姫と結婚してハッピーエンドを迎えるそうです。

ドラクエ1をやったことありませんが、ドラクエ1もそんなような話だったような、違ったような……。

こんな感じで当時の北欧では神話や民話など、既にある物語や設定を元に作品が描かれることがあったようで、それ故にめっちゃファンタジー色の強い作品になっているようです。

このエリアは他にもファンタジーしている作品が多く、すべてのエリアで1番楽しい時間を過ごせました。

4章 都市 – 現実世界を描く

このエリアでは章のタイトルにもあるとおり、街並みが描かれた作品が多く展示されていました。

そして残念ながら撮影NGだったため、写真無しでいくつか良かった作品を紹介しようと思います。

まず、エウシェン王子が描いた『工場、ヴァルデマッシュウッデからサルトシュークヴァーン製粉工場の眺め』と『初冬の朝』が同じ場所から描かれた作品だと思うのですが、それぞれ違う時間(と多分季節)を描いているため、その対比が美しかったです。

また前者の作品が特に好きで、奥の方に佇む建物の夜に輝く人工光から温かい印象を受ける一方、中央より下は大きな川が描かれており、その川の暗さから静けさと寂しさも感じることができ、情景の美しさと感じ取れる印象のコントラストの美しさでエウシェン王子に一目惚れしちゃいました。

また、アウグスト・ストリンドバリが描いた『街』も良かったです。

画面の半分以上を占める空や雲が黒や白、灰色で描かれているのですが、使われている色合いからおどろおどろしさが感じられ、自然の恐ろしさが感じ取れます。

画面の殆どを空と海が占めてる中、小さく街が描かれているのですが、色とサイズの対比も合って街の矮小さと言うか、すぐにでも壊れてしまいそうな弱さやちっぽけさが感じられ、それが更に空から感じる不気味さを強くしているように感じます。

私は芸術方面は知識も技術も無い人間ですが、本当に街と空、海のバランスが素晴らしいと思いました。

他にもエウシェン・ヤンソンが描いた『ディンメルマンスガータン通りの風景』も静けさと寂しさが感じ取れて良かったですし、アンスヘルム・シュルツバリが描いた『古い孤児院の取り壊し』もめちゃくちゃリアルが故にそこに描かれた人物の日常が感じ取れて良かったです。

他のエリアと比べてファンタジー色はあまり感じられませんでしたが、身近な街並みが描かれていたからこそ分かりやすく、身近なものだからこそ作品から感じる違和感から想像し、印象を抱けたような気がします。

つまり、このエリアも本当に良かったです!

おまけ

SOMPO美術館と言えば、フィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」ですね。

中学校の美術の授業で知ってから明るい雰囲気が好きな作品でしたが、ゴッホについて知った今、また違った印象を抱くようになりました。

期待を余裕で超えた企画展

今回この記事を書くにあたり、買ってきた図録を全部読み、書いている時も図録を何度も確認していた訳ですが、改めて本当に良い企画展でした。

美術館巡りが本格的に趣味になってまだ1年経っていませんが、知識を得る前と後で作品から受ける印象が変わるのが本当にこの趣味の面白いところだなと思います。

今回の図録では当時の北欧の時代背景を始め、作品や作家についての解説も載っていたのですが、それらを知ることで本当に作品から受ける印象が変わり、2度楽しむことができました。

特に3章で紹介したテオドール・キッテルセンが描いた連作が分かりやすく、作品の前後に物語があることを知ると、その作品に時間的な概念が加わり、前後のストーリーを踏まえた印象を抱くようになります。

そういう意味でも、今回の企画展は過去参加した企画展以上に楽しめる要素が多くあり、また多く楽しむことができ、期待を超えて超えて超えまくった企画展になりました。

開催されている場所も新宿でとても行きやすいため、開催期間中に行けたらまた行こうと思います!

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